受験が近づいてくると、親の気持ちは穏やかではなくなるものだ。
一定数、こう考える方々がいる。
「とはいえ、やはりあの高校に行かせたい。何としてでも。入ってしまえばなんとかなるはずだから。だから何をしてでも…」
この気持ち、同じ親としてものすごく理解はできる。
きっと頭の中に描く「あの高校」は、そういうレベルの子たちが多い。
だから我が子もその環境の影響を受けて頑張るだろう…、と。
しかしこれまで多くの生徒たちを見てきて、
残念ながらこれは間違い。
というか、方法を間違うと
「え?あの高校なのにその大学?」
という、親としては耐え難い結果が襲ってくるのだ。
スポーツで言うなら「ドーピング」が分かりやすいだろう。
オリンピック選考の試合でドーピングをする。
選考試合では検査がないからだ(ここだけの仮定ね)
しかしオリンピック本番には検査がある。
「選考を通らなければ、これまでかけてきた時間をお金を無駄になるし、まずオリンピックに行かなければ「ただの得意な人」で終わってしまう…。とにもかくにもまずオリンピックに行くことが大事!」
それを親心と言えるのかは別として、やはりこういう思考に進む気持ちだろう。
それで見事に選考突破。
晴れてオリンピック選手になり、記者会見。
マスコミにも取り上げられ
そんな我が子の姿に目を細める。
そしてオリンピック本番
当然、ドーピングは不可能。
さあ、どーなる?
可愛い我が子は全国民が注目する中で、どーなる?
予選最下位
一次予選で敗退
まさかのダブルスコア
画面にも映らないほど遅い
周回遅れ
無名選手に負ける
からの帰国。
空港で出迎えるマスコミ陣。
メダルを取った選手にカメラが集まる中、硬い表情で足速に通り抜ける我が子。
数日後、どこかのメディアが気づく。
「選考会の時と比べて、本戦であまりにも遅くないか?まさかドーピング?」
と。
確かに塾で直前に「本番そっくり模擬」みたいな講座を7回も受けて、予想問題を徹底的に解き、
その中の何問かが本番でも出た!
って言ってたな…。
「これだけ覚えれば大丈夫!」
と塾の先生が用意した理社のプリントを覚えまくってたな…
そうやって突破した高校入試
合格の時のあの喜び具合
良かった♫
あの塾で正解だった♫
さあ5月だ
いよいよ初めての中間考査
これで
私大推薦
私大一般
このルートがほぼ確定する。
高校入学から今日まで、我が子はどれだけ真剣に勉強してきただろうか。
松江っ子の大半が毎日のように塾で自学に没頭し、毎日音読を提出し、毎日勉強報告を積み重ねてきた中、
塾で「ドーピング」をさせられてしまったあなたの子は
どうだっただろうか。
入った高校はどこだって同じ。
周りの影響?
そんなものは幻想に過ぎないことに、今ようやく気づいたのではないか?
我が子は我が子なのだ。
周りの影響なんて1ミリも受けやしないのだ。
高校受験は、とにかく「己の力」のみで突破させること。
受験までの残り時間、とにかく何度も「己の力の現実」を自分自身で感じさせ、
「自分で何とかしなきゃ」
と思い、行動させなければならない。
なぜ松江っ子がトップ高のトップ層に何人も入るのか
それをしっかり考えて
間違った道は、親心を巧みにくすぐってくる。
頭では分かっていても、この親心がざわつくんだー!!!
というのも分かる!
でも
我が子が可愛いのならば
親は耐え忍んで見守るのが最善!
さあ、親!
歯を食いしばって耐えよう!!