なぜか指定校推薦について書くとpvがのびる。
それだけ関心が高いということだろう。
そしてその関心は「我が子の進路」に直接影響を与えるのだろう。
さて
指定校推薦
今では一般入試に匹敵するほどの太い大学進学の道だ。
数年後には私立大学に限っては一般入試の進学者を完全に超えるだろう。
しかし
そこまで指定校推薦がメジャーになっても
このルートは全てがフワッとしている。
高校によってその仕組みも全く違うし。
それなのに、まるで一般入試のように制度として固くしっかりしたものだと多くの人が思ってしまう。
今ここで、その「仕組みの闇」についてしっかりと頭に入れてほしいから書く。
指定校推薦の闇は大きく分けて2つ。
①校内の先生達による推薦会議で決まる
②生徒間でその情報が共有されない
つまり、一言で言えば「ブラックボックス」なのである。
大学からの推薦に必要な条件は明確に提示される。
例えば
○○大学○○学部 評定4.2 英検2級必須
のように。
自分の評定とその他の条件を満たせば希望を出すことは可能。
至ってシンプルで明確なように見える。
しかし
その時に上記の①②のブラックボックスを通過しないといけない。
分かる?
他に誰がその大学に希望を出してるから分からない。
枠は1名
評定の高い方が受かる、と思いきや
校内の先生達による推薦会議を通過しないといけない。
その結果、通過不通過の理由は明らかにされることはない。
他に誰が希望を出していたのかも永遠に分からない。
つまり
「出してみなけりゃ分からない」
ってこと。
まあ、これは一般入試も同じなんだけど、
でもやはり闇は指定校推薦の方が圧倒的に多いんだよね。
さて
前置きが長くなったが
僕が知ってる指定校推薦の闇、①も②もたくさんあるんだけど
この記事では②について書こう。
当時、ある生徒から指定校推薦をどこに出そうか相談を受けていた時の話だ。
高校名は書かないよ。
書いても意味がないんだ。
どこの高校でも起きてることだと思うから。
さて
鳥肌もんの実話の始まりだ…
その高校では1学期の中ごろから
「大学、どうする?一般?指定校?」
みたいな話題がそこかしこで起こり始めたそうだ。
その生徒は「自分は指定校で行くかな」と答えた。
すると「自分も!」という声が集まり
「絶対に正直に情報を出し合って、みんなが満足する進路になるようにしよう!」
と、発言力の強い子が言ったらしいんだ。
その声の力は徐々に広がり、ある「LINEグループ」が出来上がったという。
…
……
もう、この段階で恐怖しかないのだが
そのLINEグループの中では
○自分の評定
○志望大学学部
が公開され
「○○がそこなら自分は○○に変えるわ」
とか
「××は指定校じゃなくて国立一般のらしいよ」
のように、グループ外の高学力の子達の志望動向までが活発にやり取りされていたそうだ。
その頻繁なやり取りから、その生徒は
「良かった。特に聞いていたようなトラブルとかどんでん返しはなさそうだな…」
と思ったそうだ。
そして、夏休みも近づいたある日
その生徒のLINEの通知音が鳴った。
それを開くと、その指定校推薦グループ内のある子からのLINE。
個チャは滅多に来なかった子だ。
なんだろう…
そう思って開くと
「○○、グループでは4.2って言ってるけど、本当は4.5らしいよ。高1の時に評定聞いた子がいて、そこからの順位とか点数とかを考えても4.2ってことはないはずだから多分間違いないよ」
という書き出し。
しかも
「○○大学に希望出すって言ってたけど、△△大学のオーキャン行くって言ってるみたいだよ。高校違うけど地元繋がりの子から聞いたらしい」
と続き、さらに
「実はうちら、もう一つのLINEグループ作ってて、○○と◉◉以外はもう全員入ってて、そこでは本当の本当のことだけ言う感じにしてるんだ。だから招待するね!」
と書いてあったようだ。
正直、「え…」と思ったようだが、指定校推薦ルートでは情報こそ命。
さらにすでに1学期の期末は終わってるから、もう大事なのは「どこに出せば通るのか」だけ。
だからその生徒は新しいグループに参加。
その後、最初のグループ内ではいつものように活発な情報のやり取り。
「もう○○大学に決めた!」
という友達の書き込み。
でもそれは、もう一つのグループでその子が言ってる大学とは全く違う…
もう何がなんだか分からない状態になったある日
また別の子から似たようなLINEが来てグループに招待されたという…
結局、大小いくつかのグループが同時に存在し
結局何が何だか本当に何も分からなくなったという。
その子は最終的には
「高校卒業したらもう二度と会わない子達だから」
と言って割り切り、自分の行きたいところに希望を出して無事通過。
これは紛れもない事実。
指定校推薦の闇
多かれ少なかれ、日本中の高校で当たり前のように存在するレベルの話である。