ゲラおを父のいる病室に連れて行った。
父はゲラおが大好きだから。
朦朧とした意識から、ゲラおに焦点を当てるように戻ってくる。
手を握り、話をする2人の姿
そういう時に見せるゲラおの言葉や表情に、
大人になった
男になった
と強く感じる。
インドアで泣き虫だったゲラおをここまで成長させたものは何なのか。
家の中で、家族の前だけで見せるその姿とは明らかに違う。
青年ここにあり
まさにそんな感じだ。
浦和高校か?
大学受験か?
一橋大学か?
何がゲラおをここまで育てたんだ?
と考えると、やはりそれは
大学受験
だったのではないかと考える。
明らかに高い壁だったはずなんだ。
しかし、ゲラおは自らの手と足だけでよじ登っていって、そして越えた。
松江塾のペナテストで不合格になり、僕の運転する帰りの車の中で怒られ、泣いていたゲラお。
でも松江塾という仕組みの中で自分で勉強するしかない中学3年間を過ごし
そして高校生に。
もうそこからはたまーに成績表を見せてくるくらいだけになった。
浦和高校では自動的に強くなる?笑
ような仕組みがあるのか、楽しそうに通っていた。
でも、やはり大学受験には及ばないのだろう。
もし大学附属に行っていたら、きっと今のゲラおとは少し違った感じになっていたのかもしれない。
自らの意思と意志と行動で乗り越える経験。
いろんな道が考えられたが、やはり歩んだ道が正解だったと
あの病室で僕は強く思った。