あれは大学生の頃
授業の空きコマができたので、友達に誘われて明大前のパチンコ屋へ。
パチンコというものは知っていたが、生まれて初めての経験だった。
さっきまでお財布の中で僕の心を安定させてくれていた1000円札が
綺麗な銀色の玉に変わっていった。
全部同じ形
店内のキラキラした照明が反射して
一様に同じ部分が光っていて
そして何よりも心地よい重量感
それまでの人生で、道に落ちてるパチンコ玉を1個くらい拾ったことはあったと思うが
あれだけの数が一気に手のひらの中にあると、
それはなかなかにゾクゾクする瞬間だった。
それをパチンコ代の中に入れて
「ここを回すんだよ」
と、後に一留してあの超大企業に就職していった悪友が教えてくれた。
僕の中でのパチンコは、お祭りの屋台か何かで見た、一発ずつ金属の棒みたいのを弾いて球を打つものだったから
最初は意味が分からなかったな
言われた通りに丸い物を握って回すと
一気に弾がビョーンと飛び出していった。
「強すぎだよ笑。力を加減して、あの釘の間に弾が入るように、そうそう。あそこに弾が入ると、ほら、こうやって数字が回るでしょ。その数字が揃ったらたくさん球出てくるから。全部なくなったらまたここにお金入れて玉出して。」
そう、ざっと流れを説明した悪友は咥えたタバコに火をつけて自分の台の世界に意識を移していった。
あとは一人で頑張れってことか…
頑張る?
笑
これを?
そう思ったが、その教えられた日本の釘の間に球を通すことに夢中になるのに
そう長い時間は必要なかった。
そして何分か経過し、僕わいわゆる「大当たり」を経験。
そもそも授業の空きコマを埋めるためだったから、一度の大当たりだけでパチンコ屋を出た。
謎の銀色のボールペンが入ったプラスチックケースの束をもらって笑
そこからはどう考えても日本のグレーゾーンを経験し
大学へと戻った。
その悪友は6000円くらい失い、僕は5000円くらいを手にしたと記憶している。
たったあの短い時間で
僕と悪友のお財布の中身が激変したわけだ。
あれから何回か悪友とパチンコに行ったが、
僕の人生の中でギャンブルと名のつくものをやったのはその時だけ。
トータルで勝ったのか、負けたのか
それも覚えてない程度だ。
今、ギャンブルに対しては1ミリの興味も欲もない。
ゲラおが幼稚園くらいの時、お祭りで屋台のくじを夢中になって引く姿を見て
少し嫌悪感を抱いたくらいだから、ギャンブルに対しては親和性はないのだろう。
でも
ふとその理由を考えてみた。
僕の人生がギャンブルそのものだからパチンコみたいな擬似ギャンブルに興味が持てないのではないか、と。
個人事業主なんて、明日どうなるか何の保証もない。
突然くる退塾希望のLINE
でも、その直後に入塾希望のLINE
まさにギャンブルそのものだよね笑
多分、普通の人ならメンタル耐えられないはずなんだ。
僕は
真のギャンブラーなのかもしれない😛