これは我が天使な奥様の前でも同じ。
「やりたくなーい」
と言ったら
「え?本当?」
と聞く。
この時点で、自分の「やりたくなーい」と空中に放っただけの言葉が
相手に受け取られたことになる。
そして
「本当?」
と、自分にボールが返ってきたことになる。
だからそのキャッチボールを続かないといけなくなる。
「うん、やらない」
と返事をする。
「ええ?本当にやらないの?それでいいの?」
と返す。
「うん、本当にやらない」
と返事をする。
「やる、やらないって2択の選択肢が眼前に存在してるわけだけど、あ、眼前って分かる?」
「わからない」
「漢字で、こうやって眼と前って書くから目の前ってことね。眼前に選択肢があるってことは、今目の前にやるとやらないっていう二つの選択肢があるってことよ。分かる?」
「うん、分かる」
「つまりね、あ、選択肢って何?」
「どっちか選ぶやつってこと?」
「おー、そうそう。んで、その選択肢が眼前に存在してる時にさ、あ、存在してるって分かる?」
「分かんない」
「そこにある、いるってことよ。今うちらは地球上に存在してるよね?」
「そう、だね」
「おー、理解力あるじゃん。理解力って分かる?」
「分かる力ってこと?」
「そうそう。つまりね、眼前に存在してある選択肢は本来どっちを選択しても許容されるわけよ。あ、許容って分かる?」
「分かんない」
「許すってことよ。つまりどっちを選んでも許されるってこと。分かる?」
「うん、分かる」
「そう、つまり眼前にある選択肢は本来どっちを選択しても許容されるでしょ?」
「うん」
「その選択肢、例えば道に一万円が落ちてるとしたらどうする?」
「ひろう」
「え?ひろうの?でも、わざわざしゃがんで掴んでまた立つって面倒くさくない?」
「めんどうくさくない」
「どうして面倒くさくないと思ったの?」
「一万円欲しいから。」
「あー、なるほど。つまり、しゃがんで拾って立つって行為より、あ、行為って分かる?」
「動くこと?」
「そうそう。その面倒臭い行為より、一万円のほうが価値が高い感じがするからやるんだよね?」
「うん」
「てかさ、よくこれだけの難しい言葉を使った会話について来れるよね。すごいね。」
「そう?」
「うん。で、どうする?本当にやらない?さっさと終わらせて遊ぶ?」
言葉のシャワーで語彙を増やし、キャッチボール。
これ、脳みその準備運動、そしてウォーミングアップ。
これでまた「やらない」と言ったらまたキャッチボールの続きを。
「価値ってとういうこと?」
と。
そこから貨幣とか、物々交換の話になればいい。
問題やるより賢くなる。