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川越にある松江塾!代表真島による何でもブログ!

世の旦那様達、その「一輪の花」を生涯大切に🎵

 

男は求め、彷徨い、歩く。

 

今日の糧を探して。

 

男はそういう生き物である。

 

暑い日

 

寒い日

 

鬱蒼とした森の中を

 

どこまでも続く砂漠を

 

一歩一歩歩く。

 

 

そういう生き物なのである。

 

 

 

 

 

 

 

ふと、道端に何かを見つける男。

 

 

 

 

どこかで見たことがあるような

 

 

しかしその緑色の頼りない茎は

 

 

ゆらゆらと風に揺れているだけ。

 

 

 

「これは…花か?」

 

 

 

 

しかし、咲いてはいない。

 

 

蕾もない。

 

 

「それにしても、何でこんなところに一輪だけ…」

 

 

 

そのまま立ち去ろうとしたが

 

 

何か気になる。

 

 

 

そこで男はゆっくりと地面に腰を下ろす。

 

 

「なあ、お前はなんでここにいるんだ?」

 

 

 

そう問いかけても答えるはずもない。

 

 

 

 

しかし

 

 

 

 

男はわずかに揺れる葉に気づく。

 

 

 

「あ…」

 

 

 

何かどうしても気になる男は

 

 

持っていた砂まみれの水筒を開け、水を数滴落とす。

 

 

するとどうだ

 

 

 

さっきまでなかった蕾が…

 

 

 

「あ…笑」

 

 

その蕾の愛らしさに男の顔に笑みが浮かぶ。

 

 

 

「そうか、君は花が咲くんだね。」

 

 

 

男の言葉が変わった。

 

 

 

その無骨な手は優しさを帯びた動きでもう一度、水筒から数滴。

 

 

 

すると…

 

 

 

その蕾はその滴を待っていたかのようにまるで身震いするようにその蕾を開く。

 

 

「君は、なんて可愛い色で花を咲かせるんだろう!」

 

 

男はその初めて見る花の美しさに

 

 

自分が何を言ったかも気づかずにその花を優しく両の手で包む。

 

 

 

なんて可愛いんだ

 

そして

 

なんていい香りなんだろう。

 

 

 

「君は…」

 

 

 

男は周りを見やる。

 

 

 

そこにはちょうど男の手のひらくらいの大きさの壺があった。

 

「よしっ!」

 

 

 

男はその花を傷つけぬよう

 

 

大地に両手を突き刺し、周りの土ごとその花を掬い上げた。

 

そしてそのまま壺に。

 

 

「一緒に来てくれないか?」

 

 

 

男の子その言葉に

 

 

 

今度は葉だけではなく花も茎も体の全てを揺らし、輝かせて応じる一輪の花。

 

 

 

「そうか、来てくれるのか。」

 

 

 

 

男はその壺を大事に抱え、その場を去る。

 

 

 

そこから男はその壺に入った花を大切に抱え、そしてまた毎日、今日の糧を求めて歩いた。

 

 

花は今日も綺麗だ。

 

 

男は毎日水をやり、毎日語りかけた。

 

 

糧が見つからない日もあったが

 

そんなことは気にもならなかった。

 

 

夜は遅くまで花と語り合った。

 

 

花はいつも綺麗で

 

 

花はいつも笑顔で

 

 

歩き疲れた男はその姿を見てすぐに疲れを吹き飛ばし

 

 

そしてそっと壺を抱きしめながら眠った。

 

 

 

 

花はいつも綺麗だ。

 

 

そして

 

 

花は今日も可愛い。

 

 

 

 

男は毎日糧を求めて歩く。

 

 

 

 

もう一人じゃない。

 

 

 

その手にはいつも

 

 

 

 

綺麗で可愛くていい香りの花がある。

 

 

 

 

今日も二人は笑って歩く。

 

 

 

 

 

 

花は

 

 

 

今日も綺麗だ。