分かりやすく言えば「絵本の多読」に近い。
小さい子はお気に入りの絵本を何度も「読んで!」とせがんでくる。
また?
同じの何回も読んで面白いの?
おとなはそう感じるだろうが、当の本人は読んでやるととても満足そうに楽しんでいる。
あれはきっとストーリーの楽しさや想像を反復して、脳につながる歯車をよりくっきりと形作る快感の中にいる時間なのだろう。
数文字、数行だけ読んで
スッとその世界の中に入り、想像する。
それがどれだけ速く解像度クッキリとできるか否か。
おそらくこれが思考力の最初の糸口になるんだろう。
文字の羅列から、その奥にある具体的な世界の想像だ。
松江塾の低学年では「エルの物語」を毎回取り組む。
性別も容姿も伝えていない。
エルは自分を一人称で読んだことは一度もない。
必ず他者が「エル!」と名前を呼ぶ。
他者目線からのエルという存在。
想像がよりしやすいためである。
エルの物語経験者と、それ以降に入塾した子達。
明らかに文を前にした時の没入感が違う。
もう、かなり顕著にその違いが現れるんだ。
低学年のうちにその想像力と没入感を体感し、さらにそれが算数の文章題だということ。
この経験は強い。