毎日10,000歩
父が亡くなった日も通夜の日も葬儀の日も途切れなかった。
自分のせいで継続が途切れることを父も望まないだろうからね。
だから今日も傘をさしてテクテク歩いた。
いろんなことを考えながら。
さて
目の前に下校中の集団がいた。
どうやら下校付き添いの必要な1年生だろう。
女の子が三人、父親が一人、母親が二人。
そんな集団、立ち止まっているようだ。
ここが誰かの家で、そこでバイバイしてるのかな?とか思って歩みを進めた。
すると聞こえてくる話し声。
「ほら、○○ちゃんはもう謝ってくれたでしょ?だからもうあんたの問題よ?ちゃんと仲直りできる?」
とお母さんが娘にキツめに声をかけている。
どうやら瞬時に判断するに、
最初に何かをB子ちゃんに対してやったか言ったかのA子ちゃん。親は父親。
A子ちゃんに何かをされて嫌がったB子ちゃん、すでにA子ちゃんは謝り、B子ちゃんのターンになっている。親は母親。
全く傍観のみしているC子ちゃんとその母親。
そんな感じ。
そして謝ったA子ちゃんは、それでも若干不機嫌なようでスタコラと歩き始めて5メートルほど。
「ほら!A子ちゃん行っちゃうよ!」とB子ちゃんに声をかける母親。
どうやらB子ちゃんはすでに自宅前に到着しているようなのだ。
それを聞いているだろうA子ちゃんの父親に僕は驚いたんだ。
普通、その状況なら「ほら!A子!待ちなさい!B子ちゃんとお話しなさい!」と言って連れ戻すだろう。
ところが・・・
その父親、両手で何かをやっている。
固定した左手と、その脇でくるくると回す右手。
それをしながら「A子・・・」と声をかけるだけ。
A子ちゃんは何度か呼ばれて振り向いて一言
「何やってるの?」
するとその父親が
「見えない釣り糸でA子を引っ張ってる」
と!
どうやらそのジェスチャーは、釣りのリールを回している感じだったんだと気づいた。
僕はその瞬間、その父親の頭が腐ってるんだと思ったよ。
腐ってるのなら、それは仕方ないよなって。
もうね
小1の娘の不機嫌さを押さえつけてコントロールできない父親の姿がそこにあった。
もうあと2年もしたら口もきいてもらえないだろう。
なんとも情けないものだ。