僕ら塾講師は
おそらく、子供のモチベーションを引き上げるのが得意である。
その技術は
キャリアを積めば積むほど上達する。
いろんなタイプの子に接することで
話のバリエーションが増えるからね。
僕もこの仕事をして27年目だ。
目の前の子のモチベーションを上げることは
さほど難しくはない。
いやらしい言い方に聞こえるかもしれないけども。
でもね
モチベーションの引き上げを
「着火」というイメージで伝えると
僕の考える正解ロードが理解できるんじゃなかろうか。
以前の僕は
目の前の燃やしたい!燃えてもらいたい!という対象に
ガソリンや灯油をぶっかけて、火のついたマッチを落とすような感じだった。
そりゃーよく燃えたよ
一気に火の勢いは増し
音を立てて燃える燃える
その炎を見て
僕は自分のやったことの成功を確信し
本人もみなぎる熱量に酔いしれ
親も納得の大炎上
そりゃ!!燃えろ燃えろ!
もっと燃えろー!!
そう言いながら、
ジャブジャブと灯油をぶっかけていた。
でもさ
その対象の「芯」は
燃えないんだわ
燃えてんのは
外側だけ
灯油のかかったところだけ
灯油が全部燃えたらさ
炎は
一瞬で消えるんだわ
そしてさ
その対象は
自ら燃える術を知らないままきちゃったんだわ
先生!やりました!合格しました!ありがとうございます😊先生のおかげです!
数ヶ月後
ヤバイっす。真ん中よりだいぶ下です…。どうしたらいいですか?予備校とか行った方がいいっすか?
僕は
目の前の生徒のモチベーションを上げたい。
外側を勢いよく燃えさせるのではなく
その子の「芯」に
小さくてもいいから「火種」をつけたいんだ。
その子が
その両手で大事に守れるだけの火種でいいから。
その子はその火種をずっと両手で守りながら
雨で消えぬよう
風で消えぬよう
そして来るべきその日に
自分でその火種に薪をくべる
自分の燃やしたい量だけの薪を
自分の意志でくべる
そういうことができるように
僕は松江っ子を育てているんだ。
松江塾
決して派手さはないよ
大手の塾に比べたら
人数は少ないし
教室だって駅から遠いよ
でもね
松江っ子達の胸の奥にある火種は
絶対に誰よりも強いはずなんだ。
今はまだ火の勢いが弱い子もいる
もしかしたら、まだ火種さえ持っていない子だっているよ
でも
僕はブレない。
もう、ガソリンをぶっかけることは
しないのさ