出会った頃
お別れする時間が来ると嫌だった
帰りたくないと思った
またすぐに会いたいと思った
いつも一緒にいたいと願った
一緒にいると落ち着いた
ドキドキの向かうにある落ちつく気持ち。
心地よい時間と空気
だから結婚した。
そうだよね？
あの頃の気持ちのまま、今、我が子らについて話をすることが
どれだけ素晴らしいことか
今この文を読みながら、脳内時間を当時に戻してもらいたいんだ。
あの頃の自分達に、今の我が子の存在を教えに行って欲しいんだ。
そうだなぁ
特別に写真を一枚持っていっていいよ。
どれでもいい
好きな写真を一枚。
とびきりの笑顔の我が子
照れくさそうにこちらを見る我が子
ふとした時の横顔
何かに夢中になって目を輝かせている我が子
一生懸命走っている我が子
初めて寝返りをして、自分でも驚いた顔をしてこちらを見ている我が子
美味しそうにご飯を食べている我が子
きっとあなたのスマホの中に、溢れるほどの写真があるはずだ。
どれがいい？
当時の自分達に持っていくとびきりの一枚。
当時の自分達がその一枚を手にして
一体何を語るだろう。
どれほど写真を食い入るように見るだろう。
「この子が私たちの子かぁ…。」
「目とか君にそっくりだね笑」
「鼻が俺に似なくてよかったぁ笑」
「確かに！！笑」
きっと何時間でも話が尽きないのでは？
そして話は続く。
「どんな声してるんだろうね」
「どんな性格の子なのかな」
「きっと優しい子だよ」
「あなたに似て強くて頑張り屋さんかもね」
一枚の写真しかないから
当時の2人は想像しかできない
でも
でもね
あなたはその子の全てを知ってるよね？
声も
性格も
肌の柔らかさも
髪の毛の一本一本まで。
さあ
今日のお昼ご飯の時の話題は決まったね。
もう、想像じゃなくていいんだよ
当時の２人は今ここにいる
あの時と同じだ。
同じ気持ちで目の前にいる我が子のことを話してみよう。
あの頃と同じ気持ちになんてなれない？
ほんとにそう？
僕は、そんなことはないと思うよー
だって夫婦なんだから。
