浦和高校の3年間は
物理的な距離感覚を狂わせる。
彼らにとって
「8キロ走る」
とは、毎日の体育であり
「起伏の激しい山道を10キロ走る」
とは、毎年春に行う新入生歓迎マラソンであり
「42.195キロ走る」
とは、1週間の体育の総走行距離であり
「県をまたいで50キロ走る」
とは、毎年晩秋にやる古賀マラソンのことである。
特にこの古賀マラソンは
「50キロ?近いじゃん。走れば6時間で着くよ」
という、おかしな距離感を植え付けられる。
そんな環境で育ったゲラおは
一橋大学まで自転車で行くために
自転車を購入。
何せ川越から一橋大学までは25キロ「しか」ない。
チンタラ走って行っても3時間「しか」かからないから
自転車なら1時間程度で着く、と。
おいおい…
まだ大学は対面授業が始まっていないから
実際に行ったことはないのだが
秋からの対面授業は、おそらく鼻歌まじりで自転車登校するのだろう。
そんなゲラおの自転車
ちょっと借りて走ってきた。
…
20分が限界だったよね。
汗をかくとか、
暑いとか、
そういうレベルじゃない。
頭がぼーっとしてくるんだよ。
ヤバイって。
この暑さの中での部活
熱中症で脳みそやられるってば。
水分摂れば、とか
多分、そういうことじゃないんだと思ったよ。