いよいよ秋に突入である。
こうやって季節の移り変わりを「肌」で実感するようになると
「いよいよ受験が近い」
という思いが強くなるだろう。
さて
中学受験で最も頭を悩ませるのが
「国語が伸びない」
ではないだろうか。
松江塾は中学受験を扱わないが、そのレベルの問題は通常の授業で扱う。
特に今年の夏から「美味しくいただく国語」に切り替えてからは
渋幕
といった学校の問題を美味しくいただいている。
その授業を通して生徒達に言葉を与え、語り合うことで見えてきたものはたくさんある。
それはそっくりそのまま、中学受験で国語読解問題が伸びない子達の原因と解決策につながるのでは?という思いが強くなる毎日である。
さて、なぜ国語ができないか。
なぜ得点が上がらないのか。
なぜ国語を嫌がるのか。
親が焦れば焦るほど、結果は低く硬直し、親子関係まで悪くなるのではないだろうか。
そこで、その原因と解決策を考えてみたい。
あなたの子供が国語の読解問題を嫌い、点数が伸びない理由
①語彙力がない
まずどうにもこれに尽きる。
「あわよくば」
「言わずもがな」
「不可欠である」
こんな言い回しが、「生まれて初めて見る」なんてことが当たり前に起きる。
中学受験の国語文章題は、「大人が大人のために書いた文」が用いられる。
その文には子供に向けた気遣いなどない。
大人は自分の思考を言語化するために大人の言葉を使うのが最適だからだ。
それを読み、理解するためには当たり前にその語彙を増やしていかないといけない。
この「語彙の壁」を乗り越えることにはゴールは存在しない。
受験当日の文章にすら「はじめまして」の語彙は存在すると思っておいた方がいい。
②実体験がない
語彙を乗り越えたとしても、例えばそこに書かれていることに実体験がないと
想像ができない。
例えば「ロッククライミング」という語彙から
「あー、壁みたいな岩だらけのところを登るやつでしょ」
という知識はある程度あっても、実際に似たような岩を登ったことがあるのとないのとでは
読みながらの没入感が違う。
これに関しては、出題されるであろう全ての体験を実際に行うことは無理。
映像などで補完する必要があるだろう。
③コミュニケーション能力が足りない
ここまで文章を読めるようになったとしても、最後にやってくるのが
コミュニケーション能力
である。
国語の問題は、読んだ後に内容に関して「質問」をされる。
いわゆる「設問」である。
この設問に対して、適切に答えられるかは
モロにコミュニケーションそのものなのだ。
普段の会話で、大人からの問いかけに対してどれだけ思考して言葉を尽くして返せるか。
何ならそこに「サービス精神」まで盛り込めるか。
それが得点に大きく響く。
とはいえ、
語彙と実体験、想像力を駆使して文章を読めない限り、
設問に答えようとしても無意味だ。
多くの親が、これを無視して「設問への答えっぷり」ばかり見てしまう。
そして
「ここにこう書いてあるじゃない!!!」
と目ん玉をひん剥いて言葉をぶつける。
でもね
「ここにこう書いてある」
ものが理解できないんだよ
だから沼にハマるんだ。