入試本番の日
朝起きて、用意をして
親に背中を押してもらい
そして高校に向かう。
普段は通らないその道
これから3年間、毎日通うかもしれないその道
何もかもが非日常だ。
緊張するなというほうが無理だ。
大いに緊張すればいい。
自分の受験番号で定められた席に着く。
まだ緊張はとれない。
頭が真っ白になるだろう。
でも大丈夫だ。
試験開始となり、問題を開いた瞬間
そこにいるのは誰だ?
この1年間
いや
ここまでの数年間、ずっと見てきた問題達。
一緒に頑張ってきた問題達
いつもいつも目の前に一緒にいてくれた問題達、文章達だ。
君は緊張しない。
いつも一番近いところで君たちを見てくれていた文字達、数字達、記号達だ。
「やあ、おはよう。今日も僕は君と一緒だよ。50分間、一緒に頑張ろう。さあ、好きなだけ読んでくれ!」
そう、君達に語りかけてくれるんだ。
だから、君たちは緊張しない。
いつも通りすぎるくらい、いつも通りなんだ。