①もし今もっと働けば、この車を買えるのに。
②もしあの時もっと働いていれば、この車を買えたのに。
③もしあの時もっと働いていれば、今この車を買えるのに。
④もしあの時もっと働いていれば、明日この車を買えるのに。
高校英文法でみんなが白目になるやつだ笑
てめーうだうだ後悔してないで働けし!!
としか思えない文のオンパレード。
これは昨日の高1授業で扱った文ね。
リアルタイムで70人くらい受けてて、4問全て正解だったのは2名だけ。
まあ、そんなもんだろう。
まだ学校でそこまで授業が進んでない人も多いだろうし。
仮定法を難しいと感じる理由は、
妄想や心の葛藤、後悔みたいなものを英単語から滲み出させないといけないところ
これは言語の機能としてはかなり高次元だと思うのよ。
日本語なんかはその権化みたいなもので
例えば
嗚咽
なんていう熟語を見ると、その意味を通して
一体どんな悲しいことがあったんだろう…
と想像するところまで広がるでしょう?
お
え
つ
この3文字だけなのに。
順番入れ替えて
え
つ
お
ってしたら、昭和世代のおじさんの名前?になるし。
お
つ
え
にしたら、超上品なマダムが玄関で自分の杖探しながら言いそうじゃない?
「あら、わたくしのおつえはどこかしら…」
って。
言わないか笑
それを
お
え
つ
にしただけで
さらに
漢字で嗚咽なんて書いて
さらにさらに
嗚咽を漏らす
なんて…
ほら、一気に悲壮感が出るでしょ?
えつおが漏らす
にしたら、
あらあらえつお君、我慢できなかったのかしら?
って、コメディになるし。
あれ?
話が脱線しまくりか?
笑
えーっと、そうそう
仮定法ね。
この文に込められた妄想や後悔をどう英単語として並べて表現するか
これを理解するまで生徒達を連れていく。
たった数分間で。
この「理解」まで連れていく作業を凝縮したのが授業なんだ。
そしてこの授業は、先生によって何もかもが変わる。
10人いたら、10通りの授業がある。
僕は先生というのは、「職人」であるべきだと思う。
授業内容も自分の言葉も生徒の表情も教室全体の空気も全て職人技の向かうところ。
全てが大切な素材。
それを丁寧な熟練の技で完成させていく。
形として作品は残らないが、そこには間違いなく残る「何か」があると思っている。
そこに気づき、悦にいることを知った先生は
もう一生、授業という現場から離れられなくなるんだ。
あら?悦夫君?
笑