あなたの子が、交通量の多い国道の近くを歩いている。
あなたはそこに一緒にはいない。
子供一人
ただ、歩いている。
あなたはその様子をいろんなところに設置された定点カメラで見ている。
音は聞こえない。
ただ、モニター越しに映像だけ
鮮明に見える。
歩いているのは…
いつもの通学路ではない。
だからだろうか、我が子はいろんなものを物珍しそうに見ながらフラフラと歩いている。
ちょっと変わった自動販売機
不思議な色の車が置いてある家
今はまだ大きな国道の手前にある細い路地だ。
ただ、子供の歩く先には車がかなり速い速度で行き交う国道らしき道が見える。
いや、右から左から一瞬だけ走る車の姿が建物の間に見えるだけ。
何か
嫌な予感がする
我が子はどんどんその国道の方に向かって歩いていく。
全く気づいていないが、まるで何かに引き寄せられるように。
あ
下を向いて急にスタスタと歩き出した。
激しく車が行き交う国道のほうに…
何かを考えているのか
周りを全く見ることなく
ただ、道路の白線の上を歩く我が子
国道まであと数メートル
もう車の音、トラックの音や振動も
気づいてもいい頃なのに
まるで気づかないように
歩く速度を止めない我が子
あ
国道横の歩道に出た
曲がれ
そこで左に
いや、右でもいいから
歩道に沿って歩け!
しかし、我が子は曲がらない
あと2歩でものすごい勢いでダンプカーが走る国道に
なぜ止まらない?
なぜ車が走ってるのが目に入らない?
そこは信号などない。
ああ
あと1歩
止まらない我が子
曲がらない我が子
あ!
我が子が顔を上げた!車に気づいたか?
いや
違う
国道の4車線の向こうに誰かいる!
誰だ?
小さすぎてよく分からないが
我が子と同じくらいの背格好だ。
友達か?
どうやら我が子のことを呼んでいる。
手を挙げて、こっちに来いと手招きしてる。
あ、我が子も手をあげた。
やめろ
やめてくれ
ダメだ
ダメだってば
その友達よりもまず、目の前をものすごいスピードで行き交う車を見ろ
トラックを見ろって!
ダメだ!
その右足を
前に出すな!
そこでモニターの映像は消える。
さて
これは
何を伝えたくて書いた記事か。
交通ルールを守らせるための記事?
いや、違う。
あなたの子が、学校や塾で人の話を聞いてないということが
どれだけ「危険」なことなのかを伝えたかったんだ。
いいからとにかく人の話だけは絶対に聞け
人が自分に、自分たちに何か話してる時は
何をおいてもまず目を見て聞け
赤信号では絶対に止まれ
それと同レベルで身体に染み込むまで教えて欲しい。
我が子の人生の安定や向上、幸せを願うのなら
まず何はともあれ「人の話は目できけ」ということを徹底してほしい。
冗談でもなんでもなく、下手すれば命に関わる話でもあるからね?
親として
最低限で最重要責務である。