朝から乾き切ったこの喉にビールをぶつけるように流し込む
そのほんの少し前に口に掘り込んだのは餃子
喉の渇きのせいか熱さなど感じなかった
今喉を通過したのはビールなのか餃子なのか
そんなことはどうでもいいくらいに、俺は喉の湿り気そのものを味わったのだった
そこから喉が湿りきるまで幾度となく同じ動作を無心に続けた
そして初めて気がついたのだった。
…この餃子、俺より熱いじゃないか
俺は自分だけが熱く、燃えているものとばかり思ってきた
だから周りとの軋轢は絶えなかった
お前らみんなクールを気取りやがって
そう勝手に思い込み
そして壁を作ってきた
でもこの餃子はどうだ
周りのことなど何もないかのように
ただ熱く
ただ皿の上に無造作に並んでやがる
俺は急にこれまでの自分を恥じた
そうだ
俺の人生に必要なものは
これだったのだ
餃子
餃子
我が人生に餃子の王将
大将!ビール!もう1本!出してくれ!