何回か書いた記憶がある。
僕が小学生だった頃、姉と2人でシンガポールに行った時のことだ。
仕事の都合で両親は何日か後の飛行機でシンガポールに向かうことになっていて
僕と姉の2人だけで日本を飛び立った。
小学生の僕と2歳年上の中学生の姉。
CAさんにはその旨が伝えられており、何かと気にかけてくれたことを覚えている。
しかし
四六時中そばにいてくれるわけでもなく
窓際に座らされた僕らは特にやることもなく時間が過ぎるのを待った。
そして僕はお約束の「尿意」をもよおしたんだ。
パラパラと持参した旅行用の会話ガイドブックを見て
「May I get through? 前を通っても良いですか?」
という項目を見つけた。
そして下に書いてあるカタカナを何回か復誦し
通路側の白人男性に言った。
「メーアイゲッスルー?」
そしてその男性は言った。
「え?なに?」
バチバチの日本語!
僕は咄嗟に「あ、トイレに…」
そう言うと
「あ、どうぞどうぞ!」
と隙間を開けてくれて僕は無事トイレに向かったんだ。
僕は小1から英会話教室に通っていて、
訳も分からず「アイノー!」と言いながら挙手して楽しい時間を過ごす、という経験をしていたが
なぜ「メーアイゲッスルー?」が「前を通っても良いですか?」になるのか
ちっとも分かっていなかった。
台北で給油だか時間調整のためだか降りた時も
僕と姉だけは機内に残された。
そしてCAさんが飛行機のおもちゃを持ってきて
「プレィン♫」
と言って、
僕は「サンキュー」と言った
ような記憶もある。
そして中学受験のためだったか、何か他の理由があったのか覚えていないが
その英会話教室を辞め、
中学生になり、無限暗記地獄に突入。
もともと視覚暗記みたいなものができたので、
読めないけど書ける
みたいななぞ特技を発揮。
高校に入学した時には
なんとびっくり三単現のsもよく分かっていなかった笑
恐るべし映像記憶。
高校に入り、本格的な英文法の授業を受けた時
初めて「メーアイゲッスルー」の仕組みを知った。
その時、僕はようやく無限暗記地獄から解き放たれたように思うんだ。