ふむ
僕は確かに起こした。
なし子の部屋から目覚ましの音が聞こえ、
それが止まり1分くらい経過して
いつものように静まり返る真島HOUSEの2階。
僕は寝室を出て廊下を歩き、なし子の部屋に入った。
そこには布団を目深に被って微振動すらしない仏像が一体。
毎朝の光景
仏像なし子
ほんとこんな感じ。
自分が鍵を開けないと、今日は開店しないことになってしまう。
そんな重大な役目を担っているのに
マジで二度寝できるメンタル。
布団を引っ剥がし、剥き出しになる仏像なし子ご本尊
「なし子!起きて!」
「ぁぅざずぇごぉぉぉ」
ギリギリ言語化できる音声をご本尊の喉奥から絞り出す仏像なし子。
部屋の電気をつけ、
「ほれ!なし子!足を下ろして身体を起こしな!」
そう言うと
ようやく体を起こし
そこでまた寝る。
こんな感じ。
もうね
もはや神々しいよ、その寝姿。
思わずひざまづいて手を合わせたくなるお姿。
って、そんなこと言ってる場合じゃない!、
無理やり大根、いやなし子の足を掴み、床に足の裏をつける!
2本の大根、いやなし子のその真っ白な足を!
ちなみに、まだこの状態でも爆睡。
普通に気持ちよさそうに爆睡。
「なし子ーーっ!!な!し!子!」
と、その顔を手で挟み、頭を左右にブンブンと振る。
いつもこの時、ワンピースのこのシーンを思い浮かべるんだ。
チャプチャプ揺れるなし子のほっぺ。
そして揺ら揺らさせられて、ようやく深い睡眠の水底から浮かび上がるなし子。
みなさん、お待たせしました。
なし子はバイトに間に合いました。
きっと社員さんに「真島さん!助かった!開けてくれてありがとねー!」とか言われて
「いえいえ!」
なんてなし子スマイルで答えてやがるはずだが
数時間前は
これだかんね。
奴への感謝は
僕が受け取るべきだ!!!