あなたがサッカーチームのコーチだとして、
ある子がトコトコと近寄ってきて質問をしてくる。
その子は
体力ない
足も速くない
体幹弱い
声も出さない
足元スキルもない
だからレギュラーになれないのに、
「点が取れるようになれば、レギュラーになれると思うんです。どうしたら効率的に点が取れるようになりますか?ゴール前で落ち着いてフリーでシュート決められるようになるための効率的な練習方法教えてください!」
と聞かれて、あなたは何と答えるか。
サッカーなら、この子がレギュラーになることはまず不可能だとすぐに分かり、
「そういうことじゃないよね?まず体力つけて、体幹鍛えようか。練習の時は誰よりも声出して、毎日足元のスキルを磨こうか。」
そうアドバイスするよね?
当たり前だよね?
勉強の世界だと、上に書いたような質問をしてくる子は沢山いる。
そして、それに対して適切にアドバイスすることが塾講師としての正義のようにも思われている。
「まず、ゴール前でフリーになることを考えよう。ボールを持っている子の目の動きと身体の動きをよく見て、その子が出しやすく、そして自分もフリーで受けられるスペースに走り出すんだ。そしたらボールはそこにくる。フリーでボールを受けてるんだから、あとは落ち着いてキーパーの動きを見て。ニアかファーのどちらが広いかよく見て。その時に味方がゴール前に詰めているかも見るんだよ。もしキーパーが前に弾いたとしても、味方が押し込んでくれることも想定してね。」
塾講師として求められる最高のアドバイスだ。
その子が文字をしっかり読まなくても、長時間集中できなくても、
そんなことは関係なく、求められたことに答える。
塾に通っても成績が伸びない理由は、まさにここにある。
文を正確に読めていない子達に向けて、一生懸命に文構造を論理的に解説しても意味ないんだよ。
だって、読んでないんだから。
そーゆーことじゃないんだよ。