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川越にある松江塾!代表真島による何でもブログ!

穴のあいた風船

 

 

 

 

現場の塾講師の精神的疲弊を知っていますか?

 

大手だろうが、個人塾だろうが

 

その「精神的疲弊」はほぼ同じなのです。

 

その最大の原因は

 

穴のあいた風船に息を吹き入れ続けること

 

この仕事から逃れられないからです。

 

 

 

普通、風船を渡されて

 

「やってください。お願いします。」

 

と言われたら、何をするでしょうか。

 

おそらくほとんどの人が風船を口にくわえ、大きく息を吹き入れるでしょう。

 

さらにその対価としてお金をもらっていたら尚更ですね。

 

 

 

しかし息を吹き入れた瞬間、すぐにあることに気付きます。

 

誰にでも経験はあるでしょう。

 

「あれ?この風船、穴が空いている・・・」

 

音もしますし、

 

自分が吹き入れている息の量に対して、風船の膨らみ方が弱かったり・・・

 

分かりますよね?あの感覚。

 

 

 

これが本当に風船であれば、

 

「これ、穴があいてますね。他のをもらえますか?」

 

と言えるでしょうが、生徒の場合はそうもいきませんよね?

 

 

お金をいただき、「世界で一つだけの大事な風船」を手渡され、

 

「大きく膨らませてください」

 

と頼まれているのですから。

 

 

 

困りました。

 

風船を手渡され、満面の笑みで、でも心配そうにこちらを見ているのです。

 

応急処置で穴を見つけ、セロテープを貼るとします。

 

そしてまた思いっきり息を吹き入れます。

 

しかし、セロテープを貼ったところは風船が膨らむにつれて

 

歪な感じになってきます。

 

貼った時とは風船の形は変わっていますから

 

隙間から空気は漏れます。

 

最悪、セロテープが剥がれてしまうこともあるでしょう。

 

それでも頼まれているのは

 

「息を吹き入れる行為」で「風船を膨らませること」

 

なのです。

 

目の前にいる方は、風船が「膨らむ」ということのみを期待しているのですから。

 

仕方なく、穴を指で抑えて息を吹き入れ、

 

ほんの少しだけ膨らみます。

 

しかし、手の大きさには限界がありますし、

 

穴が1箇所とも限りませんね?

 

 

講師には、全てが分かっているのです。

 

風船は手に渡され、その持った感覚や息を吹き入れるたびに伝わる

 

吹き入れた息が穴から漏れていく感覚が

 

とてもリアルに、です。

 

 

本当に必要なのは

 

息を吹き入れる前に穴を塞ぐことです。

 

セロテープでは無理ですよ?

 

大きく膨らませた時に剥がれますから。

 

 

そうですね

 

例えばボンドのような接着剤

 

それを穴のあいた箇所に塗ります。

 

穴を指で摘んで塗るのも注意が必要です。

 

膨らんだときに歪な形になってしまいますからね。

 

細心の注意を払いながら、ゆっくり丁寧に塗ります。

 

乾くのを待ち、そしてほんの少しだけ息を入れます。

 

ボンドで修復した穴のところに耳を近づけ、

 

空気が漏れていないかを確認します。

 

 

これが本来、やるべきことだということは理解できますね?

 

しかし、ここからまだ注意は必要です。

 

ボンドで修復したところは他の箇所よりも後々割れる原因になる可能性が高いからです。

 

膨らませながら、その修復箇所は頻繁にチェックしなければなりません。

 

 

 

 

 

ここまで書いたこと

 

おそらくほとんどの方が理解できますね?

 

 

 

しかし困ったことに、

 

風船に息を吹き入れることが仕事な人は

 

横一列にずらっと並んでいるんです。

 

隣の人は強烈な肺活量で、すでに風船が大きく大きく膨らみ始めてるのです。

 

せっかく穴を修復しようとしていても、

 

「あちらの方に頼むのでもう結構です」

 

そう言って風船を持って隣の隣の人にお願いをしてしまいます。

 

その人は、両手で風船をもち、大きく体を後ろに反らせながら息を吸い込み

 

一気に風船に息を吹き入れています。

 

風船は明らかに大きくなっていきます。

 

当然です

 

出ていく空気よりも吹き入れる空気の量を大きくしてしまえば

 

穴があいていても風船は大きくなるからです。

 

前に立つ人は安堵の顔をしています。

 

それはそうですね、目の前で大切な風船が膨らんでいるのですから。

 

 

チラッと風船に息を吹き入れている人を見ると

 

顔は硬直し、肩で息をし、額からは大量の汗が出ています。

 

 

何度も何度も体を反らせ、息を大量に吹き込む・・・。

 

 

もうどれくらい大きくなったでしょうか。

 

物凄い大きさです。

 

そこから一気に吹き込み口を結び、前に立つ方に手渡します。

 

その方は満面の笑みで大きくなった風船を手にし、

 

その大きさに満足しています。

 

ええ

 

耳を澄ませなくても、空気が漏れいている音は聞こえてますよ。

 

しかし

 

目の前には大きな風船があるわけですから

 

誰もその音を気にしません。

 

 

 

全て分かっているのは誰なのか。

 

 

現場の塾講師は

 

全てを知っています。

 

 

穴の数、穴の大きさ、風船自体の硬さ

 

・・・

 

もう、風船に例えるのはやめましょうか。

 

 

その生徒の性格、家庭環境、体力、精神の成長レベル・・・

 

全て分かります。

 

 

 

全て分かっているのです。

 

指導した生徒、見てきた生徒が多ければ多いほど

 

分かることは多いでしょう。

 

 

言うまでもなく、生徒は風船ではなく人間です。

 

病気であれば投薬や外科手術で治せることは多いでしょう。

 

 

しかし勉強が苦手、できないというのは病気ではありませんね?

 

何よりも必要なのは

 

「自己修復力」

 

これです。

 

子供は日々成長しています、

 

成長とは変化です。

 

その変化の力の大きさは、日々子供を見ていれば分かりますね?

 

その力を利用して、風船であれば穴を塞ぐ、というわけです。

 

 

 

 

穴が空いているのを承知で息を吹き込むか

 

穴を塞ぐ自己修復力を育てるか

 

 

 

塾によって考え方は大きく違います。

 

 

その考え方がずれたところで働く塾講師は

 

おそらく、とてつもなく精神的に疲弊しているはずです。

 

 

 

今日もどこかで

 

「穴が空いていてもいいから風船をかき集めて来い!」

 

「出る空気よりも大量の息を吹き込め!」

 

そう言われて頑張る塾講師がいると思うと

 

 

なかなかどうして・・・

 

考えさせられることが多いのです・・・・。

 

 

今日もお読みいただき、ありがとうございます。