素晴らしい先生がいたとしよう。
説明は分かりやすく簡単に理解ができ
その説明のおかげで問題もサクサク解ける。
「あの先生の説明は分かりやすいよ!」
そんな言葉が子供の口からも出てくる。
親として、これほど嬉しいことはないだろう。
しかし
これには危険も伴っている。
子供自身、悩んだり考えたり、閃いたり
そういう経験ができていないからだ。
高校受験や高校進学後は
目の前に現れる単元内容や問題、説明の半数以上が
「初見では何も分からない」
というものなのだ。
みんなそこから「なになに?どーゆーことだ?」
思考のプールに沈み込み、深く深く潜っていく。
そうやってたどり着く、一番底にある光を手にして
そして水面へと浮上してくるのである。
当然、下に行けば行くほど苦しくなる
もうちょっとで手が届きそうになったところで息が続かなくなり
一旦浮上して、再アタック。
そういう行動が、勉強の大半において必要になるのだ。
なんでもかんでも分かりやすく説明してくれる先生は
子供からこの行為を奪ってしまう。
本当に子供を賢くしたいのならば
単に「分かりやすい」というだけではダメなのだ。