子供の頃
まーちゃんという友達がいた。
まーちゃんのお母さんは、とても甘い麦茶を作る人だった。
僕はまーちゃんの家に遊びにいくと
その麦茶を心待ちにしていた。
ジュースなんて滅多に買ってもらえなかったから
その甘い麦茶は何よりの楽しみだったのである。
その甘い麦茶を飲んだ夜は
決まって同じことを考えた。
なんで僕の意識は僕の身体にくっついていて
まーちゃんの体にくっついていないのか。
一体、これはいつ誰によって決められたのか。
僕を僕と感じて、その意識で動かす身体はどうしてこの身体なんだろうか。
まーちゃんは今頃、まーちゃんの意識でまーちゃんの身体を動かしているんだろうな。
もし僕の意識をまーちゃんの身体にくっつけることができたら
僕は毎日あの甘い麦茶を飲めるのに。
小3?
小4?
たしかそれくらいだったかな。