今朝もいつものように
なし子を後部座席にどっしりと乗せ
助手席に天使な奥様をちょこんと乗せ
僕は駅に向かった。
大体同じ時間に同じ道を走る
ピンクの軽自動車
初老の男性が30歳前後の娘を駅まで送る車である。
今日も僕の2台前を走っていた。
「お、今日は負けたかー」
そう心の中で軽く認識し
快適に車を走らせた。
車の中では、なし子と奥様が
お小遣いの金額について
あーだこーだと
話し合っている。
そこに関しては僕に決定権はないので
BGMのように聞き流しながら。
ピンクの軽自動車は、いつもの道を左に曲がった。
まあ、いつも通り。
そして、
僕の前を走る2台はそのまま直進。
「お、後ろについた♫」
なんだろうか
いつも間にか、僕の中では
同志
のような感覚を抱くようになっている笑
後部座席からワンレンの黒髪をなびかせて
電車が来るギリギリまで車から降りない娘
30歳(推測)
OL(推測)
ぽっちゃり(目測)
わがまま(推測)
その娘を毎朝駅まで送る父
おそらく数年後の僕の姿が
あのピンクの軽自動車の中にある。
ん?
っていうか
まさか、あの車の色は
あのぽっちゃりOLの好みなのでは?
自分の送迎車を
自分好みの色にしたのか?
ぬぬー
なんたることか…。
まあ、いいか
そんなことを考えながら、
ピンクの軽自動車の後を走る。
車内では、まだお小遣い攻防戦が継続中。
ピンクの軽自動車、一時停止。
左右を確認
する
お父さん
…
…
?
??
んんん!!!????
お父さんじゃない!お母さんだっ!!!
左右を確認する運転席の人物
おかっぱ頭だ!!
おばさんだっ!!!!
車のナンバーは、確かにピンクの軽自動車
間違ってはいない。
後部左座席には
鎮座するぽっちゃりOLの後ろ姿もある
おおお
どうした、同志よ。
体調でも崩したか?
娘の送迎は
1日の始まりの儀式じゃないのか?
父として
メンドくさい態度を出しながらも
実は
ウキウキワクワクの
娘との楽しい時間じゃないのか?
そ、それを奥さんに任せるなんて…
心配すぎる
大丈夫かな…
明日は土曜日
僕の送迎はお休みである。
大丈夫かな
月曜日、待ってるぞっ!!
同志よ!!