毎朝、なし子を駅まで送る。
僕の日課である。
毎朝同じ時間に駅のロータリーに向かうと
毎朝同じ車を見る。
中には、雨の日だけ見る車もあるが
天気に関係なく毎日見る車もある。
ゲラおの時から気づいていた
ピンクの軽自動車
運転するのは
６０を超えた白髪のおじさま。
降りてくるのは、３０手前の女性。
つまり、
娘の出勤を送るお父様
ということだね。
この２人
凄いのは、「電車が来るギリギリまで車から降りない」
ってことなんだよね。
どんなにロータリーが混んできても、
動かない！
なし子が利用する駅は小さいので
ロータリーは５台くらいで混雑してしまう。
来たらすぐ降りる！
ってやらないと、他の車に迷惑をかけちゃうんだよ。
でも
ピンクの軽自動車
は、動かない！
後部座席の左側にうっすらと見える娘の後ろ頭
手鏡？スマホ？
何やら見つめたまま動かない！
おーい！
後ろから車が来ちゃってるんですけどー！！
そして
時間になると
後部座席のドアが開き
そこから
ふくよかな女性が
黒髪をなびかせて降りてくる…
ピンクの軽自動車
今日も明日も明後日も
お父様
頑張って欲しい
しかし
あの姿
数十年後の僕に見えて仕方がない
のである。
