我が娘
語彙力なし子
１６歳ＪＫ
鋼メンタル
数え切れないほどの「個性」に溢れた子なのだが
中でも特徴的なのが
「朝、起きない」
これである。
修学旅行の朝
部活の公式戦
入試本番の朝
常人なら、目覚ましなんて必要ないレベルの重要な日であっても
目覚ましを止めて、ベッドまで二足歩行をして
そして
二度寝、三度寝、四度寝をする。
その無敵メンタル。
まあ、その原因を作ったのは
他でもない。
この僕なのだが。
笑
「ほら、朝だよー」
って、なし子が小さい頃から起こし続けてきてしまったから。
身体が小さい時は
一階までおんぶをして連れてきた。
背中で石化しながら爆睡するなし子
可愛くて可愛くて仕方なかった。
身体が大きくなった今も
首の下に手を入れて、上半身を起こす。
もちろん、石化したまま爆睡しながら。
「着座寝」をマスターしたなし子。
きっと来年には、
見事な「立ち寝」をマスターするだろう。
さて、
なし子。
昨日学校を遅刻していった。
一昨日の夜、超〜夜更かしをしたのだ。
風呂上がりに、その見事なまでの幼児体型にボディークリームを塗りたくり
パンパンに膨れ上がった丸顔に
化粧水やら乳液やらを
上塗り上塗り
塗り塗り塗り
そりゃ怒られるわ
案の定、翌朝石化がなかなか復活せずに
遅刻。
もちろん、そんなことで凹むなし子ではない。
僕「今朝、遅刻にカウントされた？」
なし子「されたか、されなかったのどっちかだと思うよー」
…
……
ま、まあ
他に選択肢は存在しないよな
これまで１６年間
メンタルの鋼っぷりと
発言の斜め上感には
もう慣れたから。
でもさ
人って
成長するんだね
まさに
そのことを今朝、知ったんだよ。
いつも通りに、なし子の部屋から目覚ましの音がする。
けたたましい「雷電」の音。
そして
その音が止まる。
勝手に止まることはない。
なし子が止めたのだ。
いつも通りの朝。
なし子はそのままベッドに入るはず。
石化したままで。
いつも通り
いつも通り
さ、そろそろなし子の部屋に行って〜
首の下に手を入れて〜
ほら〜、なし子〜
朝だよ〜
起きな〜
って、声かけに行こうかなー
と思ってたら…
トン
トン
トン
トン
って、階段を降りてくる音がする。
えっ？誰？
そう思ったよね。
だって、なし子だよ？
あの、
語彙力なし子だよ？
入試の日にも起きなかったのに！！！！
それがね
起きてきたんだよ。
自力でっ！！！
おおお
なし子
お前…
成長したなー
目覚まし止めて、自分の力で起きてくるなんて〜！！
嬉しすぎて、朝から小躍りしまった笑
