役所の時間を止めたなし子の手を引いて
ウエスタ川越の中にある
パスポートセンターに向かった僕ら3人。
当然、なし子にとっては初めての場所だ。
油断するな
こういう時、こういう場所では
必ず何かやらかすのが
我が娘
語彙力なし子
「お〜ん♫」
最近はメールでも「なし子ちゃん、大好きです!」とか書いてくれる人が増えたが
もちろん、これは仮名である。
便宜的に名字を「語彙力」
下の名前を「なし子」としているのだ。
まあ、話が逸れた笑
さてさて
そんな初めての場所に来て、中を見回すと
10人弱?くらいの人がパスポートを取りに来てた。
そもそも、なし子はパスポートというものを
「ほんわか」としか理解していない。
ディズニーによく行く子なので
入場と乗り物に乗るためのチケットが
パスポートだと思い込んでいるフシもある。
そんななし子とともに
受付のところに並ぶ。
事前にサイトで情報を打ち込んで、印刷した申請用紙
1週間前に撮った証明写真
役所を凍りつかせた戸籍謄本
保健証と学生証
大丈夫
不備はない。
そして、
僕らの順番が来た。
受付の女性に書類を渡し、テキパキと確認してもらう。
写真の寸法を測り、切ってもらい、
テープのりで貼り付ける。
まー、プロの仕事。
速いねー
なんて言いながら見つめる僕となし子。
奥様は後ろの待合椅子に座っていた。
さあ、
事件発生まで
数分、というところまできたよ
パスポートはさ
個人情報等と、写真と自署
これが大事じゃん?
個人情報は、僕がパソコンで記入したから
当然、クリアー
写真も、当然クリアー
そして、今回
事件を巻き起こす
「自署欄」
担当者「では、こちらにお嬢さん本人が署名してください」
なし子「おん♫」
ペンを持ち、自署欄に
書き込んだ。
!!
僕は目を疑った
我が娘の
書いた文字に!!
それを、忠実に再現した画像をお見せしよう。
皆さん
当然お分かりだと思うが
これは「パスポート」の自署欄である。
常人であれば、パスポートに記載される情報の重要性は
痛いほど分かっているはずである。
これまでの申請手続きの丁寧さ、慎重さからも
自分がどれほど重要な書類に対峙しているか
分かるはず、なのである。
しかし、我が娘は
その自署欄に、堂々と書いた
「なし子」
担当者の人も、目の前で起きたことを理解するのに
時間がかかり、発した言葉が
担当者「えっ?名前だけ?」
笑
まあ、そうなるよね笑
そう言われたなし子
僕の方を見て
「名字も?」
と。
まあ、当然だよね!
そう言うと、またまたペンを持ち
書き始めた。
名字、細っ!!!
左に寄りすぎ!!!
ああ、なし子よ
このほっそーい名字
ど真ん中のなし子
これが5年間、あなたのパスポートに鎮座するのだよ。
見るたびに、今日の全てを思い出せ
あなたの干支は「ひつじ!!」
そして、
署名するときは、フルネーム!!
忘れるなよ